行政書士とは
「行政書士とは何か?」
そう聞かれて簡単に答えられる行政書士の方はなかなかいないと思います。
抽象的に答えるとしたら、
「わかりにくかったり煩雑だったりする手続きを代行して料金をいただく仕事」
といっていいと思います。しかし、このときの「手続き」には様々なものが入るため、具体的に説明しようとすると、よくある仕事を列挙していくことになり、かえって分かりにくくなります。
例えば、
- 建設業の許認可
- 自動車の車庫証明などの申請
- 会社設立のお手伝い
- 在留資格の入管での手続き
- 成年後見の手続き
等がありますが、このように日常関わることの無いようなお役所関係の手続きだけでなく、個人間の法律に基づいた手続きも多々あります。
個人間の生活にまつわる手続きの主な例を挙げると、
- 契約書作成
- 遺言書作成
- 相続
- 離婚
- 借金や損害賠償の請求
と、さまざまなものがあります。
行政書士は職域が広いので、これだけでなく、例えばペット関連の仕事など、思いも寄らないような業務をされていることもよくあるのです。
なので、「◯◯をやっているのが行政書士」という形で答えると、とても長いリストになり、かえって説明しにくくなったりわかりにくくなったりします。
行政書士は、何をしないか
そこで、私は以下のように考えるのが一番楽かな、と思っています。
それは「◯◯を除いた法律関連のお仕事」です。
◯◯に入るのは、
- 弁護士さんのお仕事
- 税理士さんのお仕事
- 司法書士さんのお仕事
といった、他の法律業のお仕事です。
厳密には行政書士と重なっている領域もあるのですが、おおむね分かりやすくなります。ただ、上記のお仕事自体をそれぞれに知らないとわかりにくいですね。
とは言え、司法書士以外の、弁護士・税理士についてはおおざっぱにイメージできるのではないかと思います。
簡単に言うと、
- 弁護士さんは裁判などで弁護する人
- 税理士さんは税金などの計算をしたり手続きする人
ですよね。
ここに司法書士さんを加えます。大まかに言うと、「司法書士さんは土地や会社を法務局に登記などをする人」です。
以上を整理すると、
- 弁護
- 税務
- 登記
この三つの領域を除いた、さまざまな法律や手続のお仕事が行政書士のお仕事になります。
行政書士はリーズナブルな法律やさん
次に、普通の方にとってももうひとつ重要なポイントを紹介します。それは、料金です。結論をざっくりと書きますと、
弁護士 > 税理士 > 司法書士 > 行政書士
といった感じです。
これはあくまでイメージでして、非常に安くやってらっしゃる弁護士さんもいれば、高い行政書士さんもいます。なので個人個人を見ると必ずしもこれに当てはまるわけではありません。
しかし、一般的に、たいていの行政書士は弁護士よりかなり安いですし、他の士業に比べても安いことが多いです。
もちろん、「行政書士とは何をするのか」で書いたとおり、各士業ごとに職域が少しずつ違う上に、仕事の内容も、個々の案件ごとに一定ではないので、簡単には比較できません。同じ「仕事」と言っても本屋さんのお仕事と大工さんのお仕事では内容が全く違うように、確定申告の仕事と許認可のお仕事では全然性質が異なります。ですので、一概にどっちが安い、とは言いにくいのが本当のところです。
とはいえ、単純に金額でどれくらいかかるかで大雑把に並べると上記のようになるので、行政書士は一番リーズナブルな法律職、と言えるかもしれませんね。
やたらと広い行政書士の価格帯
行政書士の料金については、例えばうさねこ法務の料金ページをご覧になっていただけると分かるかもしれませんが、案件毎に大きな差があります。
難しくてレアな許認可のお仕事であればある程、高くなります。物によっては100万近く行くことも珍しくありません。また遺言執行なども、遺産が莫大な場合はかなりの額になります。
一方で車庫証明のような、比較的シンプルなお仕事は1件あたり1万円以下が普通です。離婚協議書作成などの対個人のお仕事になると、だいたい数万から高くても十万円台というような感じです。
なので行政書士のお値段は、場合によって非常に異なります。この辺りもイメージがしにくい原因かと思います。1万~100万のレンジがあるというのは、そんなによくある業態ではないかもしれませんね。
カレー屋さんなら一品だいたい数百円から2000円で収まりますし、本屋さんでもそんなに価格の幅はないですね。クリーニング屋さんとか、コンビニなどもそうですね。一般的には、数倍程度で収まるものです。
ただし、専門化している行政書士さんを見ると、それほど価格に幅はなくなります。例えばビザ(入管関係)のお仕事をされている方は、やはりそれなりのレンジ(数万から20万くらいまで)に収まります。
行政書士の便利な使い方
行政書士のいいところは、様々な業務を行なうので、様々な人や業界と繋がることです。もちろん何かに特化されてる方は違うかもしれませんが、うさねこ法務は何でも屋さんのような感じです。
そのため、かなり多様な業種や職種の人とお知り合いになります。もちろん、先に挙げた弁護士さんや、税理士さん、司法書士さんといった「他士業」と呼ばれる周辺の法律職の方々とも連携が深まります。
なので、分からないことがあったらまず行政書士に聞いてみる、というのは結構有効だと思います。説明するとなると難しいのですが、自分の仕事はこの辺りというのを、だいたいの行政書士さんは把握しているので、「これはあの人」「この手のお仕事はこの人」というように、中継係の役割を果たすことができます。
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